こんにちは!「AIいっぽラボ」の所長です。
前回紹介した「プロンプトの基本」、試していただけましたか? 「あなたはプロの〇〇です」と役割を与えるだけで、Geminiの回答が見違えるようになったはずです。

ひつじさんはい!普通に話しかけるだけでも十分便利で感動してるんですが…。
ネットで見かけるプロンプトには、よく『#(シャープ)』とか『-(ハイフン)』が使われていますよね?あれって、何か特別な意味があるんですか?



それ、私もずっと気になっていました!最初は『ただの飾りかな?』と思って消して使ったりしていたんですが…。 実はあれ、Geminiの性能を引き出すための重要な『合図』だったみたいなんです。
今回は、私が学んで実践してみた、AI使いとして一歩先へ進むための「記号(マークダウン記法)」についてシェアします。
なぜ「話し言葉」だけでは不十分なのか?
GeminiなどのAIは、私たちが入力した文章をものすごいスピードで読んでいます。このとき、記号のないダラダラとした長文だと、AIは「どこが重要で、どこから話題が変わったのか」を判断するのに少し迷ってしまうことがあるそうです。
人間も、改行も段落もないメールが送られてきたら読むのが大変ですよね?どうやらAIも同じみたいなんです。
そこで役立つのが、今回紹介する「#」と「-」です。 これらはAIにとって、文章の構成を一瞬で理解するための「道路標識」のような役割を果たします。
記号1:「#」はAIへの「注目!」の合図
まず、最も重要なのが「#(ハッシュ/シャープ)」です。
これはAIの世界(マークダウン記法)では、「見出し(Heading)」を意味します。
#: 大見出し(タイトル)##: 中見出し(章)
プロンプトの各要素に「#」をつけることで、AIは以下のように理解します。
【記号なしの場合】



あなたはライターですダイエットの記事を書いてください条件は30代向けで……



(AIの脳内:ふむふむ、ライターでダイエットで30代ね、全部繋がってる文章かな…?)
【記号ありの場合】



# 役割 あなたはライターです
# 命令 ダイエットの記事を書いてください
# 条件 30代向け



(AIの脳内:おっ!ここから「役割」の話だな。次は「命令」だな。よし、区切りが明確で分かりやすいぞ!)
「#」があることで、AIは情報の「区切り」と「重要度」を正確に認識し、指示の読み落としが減るというわけです。
記号2:「-」は情報を「整理整頓」する
次に使うのが「-(ハイフン)」です。 これは「箇条書き(リスト)」を意味します。
複数の条件や情報を伝えるとき、文章で繋げて書くとAIが混乱することがあります。
悪い例(文章で書く):
「条件は、文字数は300文字以内で、語尾は『ですます調』にして、あと初心者にも分かりやすく書いてね。」
良い例(箇条書きにする):
# 条件
– 文字数は300文字以内
– 語尾は「ですます調」
– 初心者にもわかりやすく
「-」を使って縦に並べることで、AIはそれぞれの条件を「独立した重要なルール」として一つずつ丁寧に処理してくれるんです。



文章の中にサラッと書かれると見逃しちゃうことがあるけど、箇条書きにしてもらえると『よし、この3つを守ればいいんだな!』って絶対に見落とさないよ。
検証:「記号あり」プロンプトの実力
では、実際にこの2つの記号を使って指示を出してみましょう。前回学んだ「4つの型」に、記号という「骨組み」を入れるイメージです。
Geminiへの指示(プロンプト)
# 役割
あなたは「旅行プランナー」です。
# 命令
以下の情報を元に、最高の旅行プランを提案してください。
# 参考情報
- 行き先:京都
- 期間:1泊2日
- 予算:5万円以内
- メンバー:夫婦2人
# 条件
- 混雑する観光地は避ける
- 地元の美味しい料理店を入れる
- 移動ルートに無理がないようにする
これを入力してみたところ、Geminiは「#」で区切られた各項目を完璧に理解し、「-」で指定された細かい条件をすべてクリアしたプランを出力してくれました。
Geminiの回答


話し言葉で「京都に行くんだけど…」と相談するよりも、遥かに精度の高い、抜け漏れのない回答が返ってきたんです。



どうですか? 見た目もスッキリして読みやすいですよね。自分が読みやすい指示は、AIにとっても読みやすいんだなと実感しました。
まとめ:記号はAIへの「思いやり」
いかがでしたか?
#で話題を区切る(見出し)-で情報を並べる(箇条書き)
たったこれだけの記号ですが、これを使うことは「AIが迷わないように情報を整理してあげる」という、こちらの思いやりが伝わる行為なのかもしれません。
もちろん、ちょっとした質問なら話し言葉でも十分です。
でも、「絶対に失敗したくない仕事」や「複雑な条件」を依頼するときは、ぜひこの記号を使ってみてください。Geminiの反応が変わるのを実感できるはずです。



私も勉強中ですが、Geminiにはこの先にもっと凄い『上級者向けの指示方法』が存在するらしいんです。次回はさらにディープな世界を一緒に学んでいきましょう。お楽しみに!




