こんにちは!「AIいっぽラボ」の所長です。
仕事をしていると、「情報の整理」だけで一日が終わってしまうこと、ありませんか?
ひつじさんあります…。
『新しい企画書を作って』と言われたんですけど、参考資料のPDFと、会議の殴り書きメモと、競合サイトのURLと…。
情報があちこちに散らばりすぎてて、まとめるだけで頭がパンクしそうです。



分かります。
複数のソース(情報源)を行ったり来たりしながら文章を組み立てるのって、一番脳のエネルギーを使う作業ですよね。
私も昔は、ディスプレイ中に付箋を貼って格闘していました。
でも、その「編集作業」、実はAIが最も得意とする分野なんです。
前回紹介したGoogleの「NotebookLM」を使えば、散らばった情報を一つの箱に放り込むだけで、勝手にまとめてくれます。


今回は、NotebookLMを「超優秀な編集者」として使い倒す、一歩進んだ活用術を検証します。
【比較表】「生成」と「編集」の違い
「文章を書くならChatGPTやClaudeでもいいのでは?」そう思うかもしれません。しかし、「複数の資料を元に書く」という点において、NotebookLMは別格です。
| ツール | NotebookLM | ChatGPT / Claude |
| 得意な書き方 | 編集・統合 (ある情報をまとめる) | 創作・生成 (ゼロから生み出す) |
| 参照できる数 | 最大50ファイル (PDF, Web, テキスト等) | 数ファイル (またはコピペが必要) |
| 情報の正確さ | ◎ ソース紐付け | △ 記憶が混ざる |
| おすすめ用途 | 企画書、報告書、論文 | メール、アイデア出し |



ChatGPTやClaudeは『ゼロから文章を作る』のが得意だけど、NotebookLMは『渡された大量の資料をパズルのように組み合わせる』のが得意なんだ。
まさに『編集者』のようなAIだね!
検証1:3種類のバラバラな資料を「企画書」にする
では、実際にひつじさんが抱えているバラバラの資料を一つの企画書にまとめてみましょう。
今回使う素材(ソース)
- 市場調査レポート(PDF): 最新のトレンドデータ
- 競合他社のWebサイト(URL): 商品のスペック情報
- 部長からの要望メモ(テキスト): 「低価格で、20代向けに」という指示
これら3つを、NotebookLMのソース欄にアップロード(またはコピペ)します。
そして、以下の指示を出します。
※日本語で指示してもOKですが、複雑な構成を指定する場合は英語の方が忠実に守ってくれる傾向があります。
NotebookLMへの指示(プロンプト)
日本語プロンプト
アップロードした3つのソース(市場調査、競合情報、部長メモ)の全ての要素を統合し、新商品の「企画書ドラフト」を作成してください。
【構成】
1. 市場背景(PDFより)
2. 競合との差別化ポイント(URLより)
3. 具体的な商品コンセプト(部長メモを反映)
英語プロンプト(推奨)
# Instruction
Synthesize all elements from the uploaded 3 sources (Market Research, Competitor Info, Manager Memo) and create a "Product Proposal Draft" in Japanese.
# Structure
1. Market Background (Cite from PDF)
2. Differentiation from Competitors (Cite from URL)
3. Specific Product Concept (Reflect Manager Memo)
NotebookLMの回答
【新商品企画案:Z世代向けエントリーモデル】
1. 市場背景
市場調査レポートによると、20代の消費傾向は「コスパ」と「タイパ」を重視する傾向にあります(ソース1参照)。2. 競合との差別化
競合A社の商品は高機能ですが価格が高いため、機能を絞り込むことで差別化を図ります(ソース2参照)。3. 商品コンセプト
部長の要望通り、機能をシンプルにして価格を抑え、初めての人でも手に取りやすい設計にします(ソース3参照)。



見てください。別々の場所にあった情報がまるで最初から一つの書類だったかのように、完璧に統合されています。しかも、どの情報がどこから来たのか、ちゃんとソース元を覚えているのが凄いです。



すごい!これなら『あっちの資料を見て、こっちのメモを確認して…』という苦痛から解放されます!
いきなり80点の完成度のドラフトができるなんて、夢みたいです。
検証2:玄人向け機能「メモの保存」を使う
さらに、NotebookLMには、チャットボットにはない独自の機能があります。
それが「メモ(保存)機能」です。
AIと会話していて「あ、このアイディアいいな」と思ったら、「ピン留めアイコン(メモに保存)」をクリックしてみてください。すると、その回答が「カード」として画面上に保存されます。
この機能の真の使い道
保存したメモを複数選択すると、AIに対して「選択したメモだけを使って新しい文章を書いて」と指示が出せるようになります。
- 資料と会話して、良いアイディアをいくつか出させる(ブレインストーミング)。
- 良いと思った案だけを「メモ」に保存する。
- そのメモを選択し、「これらを組み合わせて提案書にして」と指示する。



これは『思考の整理』に最適なんだ。
チャットだと流れて消えちゃうけど、NotebookLMなら『良いとこ取り』をして、最終的な成果物を作り上げることができるよ。
まとめ:AIは「書く」から「編む」へ
いかがでしたか?
- バラバラの資料をアップロードする。
- 「まとめて」と指示する。
- 必要な部分を「メモ」して、さらに磨き上げる。
NotebookLMを使えば、情報は「探すもの」から「編み上げる(編集する)もの」へと変わります。
もしデスク周りやPCのデスクトップに、読みかけの資料や書きかけのメモが散乱しているなら、一度すべてNotebookLMに放り込んでみてください。きっと、驚くほどスッキリと整理された「答え」が返ってくるはずです。



私も最近は、ブログのネタ帳や気になったニュース記事を全部ここに入れています。
自分専用の『ネタ帳AI』が、次に書くべき記事を提案してくれる…そんな未来の働き方が、もう実現できていますよ。








