こんにちは!「AIいっぽラボ」の所長です。
仕事中、もっとも時間を奪われる作業の一つが「探し物」です。
特に、過去のメールやチャットログ、散らかったドライブの中から必要な情報を探すのに、何分も費やしていませんか?
ひつじさん来週の出張の詳細を確認したいんですけど、航空券のメールと、ホテルの予約メールと、クライアントのアポメールが全部バラバラで。
検索して一つずつ開くのが本当に面倒くさいです(涙)。



分かります。情報が分散していると、それをまとめるだけで一苦労ですよね。私も昔は、カレンダーとメールを行ったり来たりして手帳に書き写していました。
でも、Geminiを使えば、そんな苦労はなくなります。Geminiには、他のAI(ChatGPTなど)にはない最強の武器「Google Workspace拡張機能」があるからです。
今回は、GeminiにあなたのGmailやGoogleドライブを横断させ、「専属秘書」のように働いてもらう方法を検証します。
【比較表】「自分で探す」vs「AIが探す」
まずは、普通に検索窓を使って探す場合と、Geminiに頼む場合で何が違うのか、その性能を比べてみましょう。
| 検索方法 | 通常のキーワード検索 | Gemini (拡張機能) |
| 探し方 | 単語一致 (単語が合わないと出ない) | 意味検索 (「来週の出張」で通じる) |
| 検索範囲 | アプリごと (GmailはGmailだけ) | アプリ横断 (メールもドライブも地図も) |
| 出力結果 | ファイル一覧が表示される (中身は自分で読む) | 情報を統合・要約して答える (読む必要なし) |
| 手間 | 多い | 最小限 |



ただ単語を探すだけじゃなくて、『バラバラにある情報を拾い集めて、一つにまとめる』ことができるのが最大の違いだよ。
GeminiはGoogleのサービスと繋がっているから、アプリの垣根を超えて動けるんだ!
「Google Workspace拡張機能」とは?
Geminiの設定画面にある「拡張機能(Extensions)」をオンにするだけで、以下のGoogleアプリと連携できるようになります。
- Gmail: メールの検索、要約、統合
- Googleドライブ: ドキュメント、PDFの検索、内容の抽出
- Googleマップ: 場所の検索、ルート案内
設定方法
- Geminiの画面左下の「設定(歯車)」→「拡張機能」をクリック。
- 「Google Workspace」をオンにする。
- 「接続する」をクリック。
これだけで準備完了です。では、その実力を見てみましょう。
検証1:Gmailから「請求額」だけを抜き出す
まずは基本編。埋もれたメールから特定の数字だけを抜き出します。
Geminiへの指示(プロンプト)
@Gmail
先週届いた、株式会社〇〇の佐藤さんからのメールを探してください。
その中にある「見積書の金額」と「提出期限」を教えてください。
※@Gmail と入力すると、強制的にGmail検索モードになります。
Geminiの回答
株式会社〇〇の佐藤さんから届いたメール(件名:新プロジェクトお見積もりの件)によると、内容は以下の通りです。
- 見積金額: 350,000円(税抜)
- 提出期限: 2025年12月20日(金)
参照メール:
[メールへのリンク]



メールの一覧が表示されるのではなく、『知りたかった答え』がズバリ表示されましたね。
元メールへのリンクも付いているので、詳細確認もワンクリックです。
検証2:バラバラの予約メールから「旅程表」を作る
ここからが本領発揮です。ひつじさんが困っていた「出張の管理」をやってみましょう。
航空券、ホテル、アポのメールが別々に届いていても問題ありません。
Geminiへの指示(プロンプト)
@Gmail
来週の「福岡出張」に関するメール(フライト、ホテル、アポイント)を全て探して、時系列順の「旅程表」にまとめてください。
Geminiの回答
来週の福岡出張の旅程表を作成しました。
12月10日(月)
- 10:00 羽田発(JAL123便)
- 11:50 福岡着
- 14:00 株式会社△△訪問(件名:打ち合わせの件)
- 18:00 ホテルチェックイン(博多駅前ホテル 予約番号:XYZ-1234)
参照メール:
[JAL予約完了] [ホテル予約確認] [アポイント調整]



すごい!バラバラだったメールが、一つのスケジュール表になりました!
これなら手帳に書き写す必要なんてないですね!
検証3:Googleドライブの資料を横断検索
次は、Googleドライブの中に散らばっている資料を探します。
ファイル名が思い出せなくても、「中身」で検索できます。
Geminiへの指示(プロンプト)
@Google Drive
ドライブ内にある「2025年のマーケティング計画」に関する資料を探して。
その中から「SNS運用の目標数値」が書かれている部分を要約して教えて。
Geminiの回答
ドライブ内の「2025年度_事業計画書.pdf」と「SNS運用方針.docs」に関連情報が見つかりました。
SNS運用の目標数値:
- Instagram: フォロワー1万人増
- X (旧Twitter): インプレッション月間100万回
検証4:過去の議事録から「未完了タスク」を洗い出す
「あの件、誰がやるんだっけ?」を防ぐための、マネジメント的な使い方です。
Geminiへの指示(プロンプト)
@Google Drive
先月の「定例会議」の議事録ドキュメントを全て確認して。
その中から、まだ完了報告がない「私の担当タスク(To Do)」をリストアップして。
Geminiの回答
先月の議事録(計4件)を確認しました。所長さんの担当タスクで、完了の記載がないものは以下の通りです。
- 11/5付: 競合他社のリサーチ資料作成
- 11/19付: 忘年会の会場予約(※期限:今週中)



複数のファイルを読み込んで、自分の名前と『To Do』が紐付いている箇所だけを探し出してくれるんだ。
これでもうタスク漏れはなくなるね!
検証5:Googleマップで出張計画
最後は、場所の検索です。
Geminiへの指示(プロンプト)
Plaintext
@Google Maps
博多駅の近くで、評価4.0以上の「電源があるカフェ」を教えて。
そこまでの行き方も合わせて教えて。
Geminiの回答
博多駅周辺で評価の高い、電源利用可能なカフェは以下の通りです。
- 〇〇カフェ 博多口店 (評価 4.2)
- 特徴:静かで作業向き、カウンター席に電源あり
- [マップで見る]
行き方:
博多口を出て徒歩3分です……
【重要】プライバシーは大丈夫?
便利なのは分かりますが、メールやドライブの中身をAIに見せるのは不安ですよね。
Googleは、この点について明確なポリシーを掲げています。
Google Workspace拡張機能のプライバシー
あなたのGoogle Workspaceコンテンツ(メール、ドキュメントなど)が、Geminiの学習に使用されることはありません。
また、人間のレビュアーがこれらを見ることもありません。



つまり、私たちがGemini経由で自分のメールを検索しても、その内容が世界中の誰かに漏れたり、AIが勝手に学習して他の人にペラペラ喋ったりすることはない、ということです。
これならビジネスでも安心して使えますね。
まとめ:Googleユーザーなら使わない手はない
いかがでしたか?
- メール統合 → バラバラの予約メールを旅程表に
- 資料検索 → ファイル名不要、中身で検索
- タスク管理 → 議事録から自分への宿題を発掘
Googleのアカウントを持っているなら、Geminiを使わない理由は見当たりません。
これまでは「探して、開いて、確認する」ことに使っていた時間を、「考える」時間に変えていきましょう。



ちなみに、この機能を使うにはGoogleアカウントでのログインが必要です。
会社のGoogle Workspaceアカウント(有料版)を使っている場合は、管理者の設定によっては使えないこともあるので確認してみてくださいね。










