こんにちは!「AIいっぽラボ」の所長です。
仕事をしていると、どうしても避けられないのが「大量の資料読み」ですよね。新しい社内規定、契約書、製品マニュアル……。
ひつじさんそうなんですよ…。
昨日、上司から『業務マニュアルが改訂されたからこれ(100ページ)読んどいて』って渡されたんです。
正直、どこが変わったのか探すだけで日が暮れそうです。



うわぁ、それは大変ですね。
全部に目を通すのは非効率ですし、何より内容が頭に入ってきませんよね。そんな時こそ、AIに『専属の相談窓口』になってもらいましょう。
今回は、Googleが提供する「NotebookLM(ノートブック・エルエム)」を使って、手持ちの資料をAIに丸ごと学習させる方法を紹介します。
【比較表】NotebookLMは他と何が違う?
「GeminiやChatGPTにPDFを読み込ませるのと何が違うの?」
そう思う方も多いはずです。まずは、それぞれのツールの役割と得意分野を比べてみましょう。
| ツール | NotebookLM | Gemini / ChatGPT |
| 情報のソース | アップロードした資料のみ | ネット上の全情報 + 資料 |
| 回答の信頼性 | ◎ 非常に高い (資料にないことは答えない) | △ 時々嘘をつく (ハルシネーション) |
| 主な用途 | 資料の検索・分析 | 文章作成・アイディア出し |
| 料金 | 完全無料 | 無料 / 有料 |
なぜNotebookLMなのか?
表を見て分かる通り、NotebookLMの最大の特徴は「嘘をつきにくい」ことです。
普通のAIは、ネット上の膨大な知識を持っていますが、それゆえに「知ったかぶり」をして嘘の情報を混ぜてしまうことがあります。しかし、NotebookLMは「あなたが渡した資料の中」からしか答えを探しません。



つまり、『この教科書(資料)に書いてあること以外は喋らない』というルールを徹底しているんだ。だから、社内ルールや契約書など間違いが許されない調べ物に最適なんだよ!
検証:マニュアルを読み込ませてみた
では、実際に試してみましょう。
今回は、厚生労働省が公開している「モデル就業規則(約90ページ)」を、実際の社内マニュアルに見立てて読み込ませてみます。
NotebookLMのサイトにアクセスし、「新しいノートブック」を作成。そこにPDFファイルをドラッグ&ドロップするだけで、読み込み(学習)が始まります。


読み込みが完了すると資料内容の概要が表示されました。


読み込みが終わったら、チャット欄で気になっていることを聞いてみましょう。 例えば、「退職の手続き」について確認してみます。
日本語で聞いても大丈夫ですが、複雑な指示出しの場合は英語プロンプトも有効です。
NotebookLMへの質問(プロンプト)
日本語プロンプト
退職したい場合、いつまでに申し出る必要がありますか?
また、退職金の支払いはいつになりますか?
英語プロンプト(推奨)
# Instruction
Identify the notice period for resignation and the timing of severance pay based on the uploaded document.
Output in Japanese.
NotebookLMの回答





すごい! 90ページもある資料の中から、一瞬で該当箇所を見つけてくれました! しかも根拠となる条文まで教えてくれるんですね!



そうなんです。
しかも数字をクリックするとPDFの該当箇所を「ソースガイド」欄に表示してくれる機能までついています。これなら『AIが勝手に言ってるだけじゃないの?』と疑う必要もありません。
普通のGeminiとの決定的な違い
もし同じ質問を、普通のGemini(またはChatGPT)にした場合、ネット上の一般的な知識と混ざってしまい、「退職の申し出は一般的に1ヶ月前です」といった「世間の常識(でも自社とは違うルール)」を答えてしまうリスクがあります。
「自社の資料だけ」を根拠にするNotebookLMなら、その心配はありません。
応用:こんな使い方が便利!
マニュアル以外にも、アイデア次第で色々な使い方ができます。
1. 契約書のチェック
「この契約書の中で、当社にとって不利になりそうな条項はある?」と聞くと、リスクがありそうな箇所をピックアップしてくれます。
2. 資格試験の勉強
参考書のPDFを読み込ませて、「第3章の内容から、重要単語のテストを作って」と頼めば、自分専用の模擬試験が作れます。
まとめ:情報は「覚える」より「検索」しよう
いかがでしたか?
- Gemini: ネットの情報を調べる
- NotebookLM: 手持ちの資料を調べる
この使い分けができれば、分厚い資料と格闘する時間はゼロになります。
情報は、全て頭に詰め込む必要はありません。「どこに何が書いてあるか」をAIに探させる環境を作っておくことが、現代の賢い働き方です。



実はこのNotebookLM、ただ質問に答えるだけじゃないんです。
複数の資料から必要な情報を抜き出し、『新しい企画書』や『レポート』を一瞬で書き上げる機能も持っています。
次回は、そんなNotebookLMの「書く力(ライティング支援)」を深掘りしていきます。
バラバラのメモが一つにまとまる快感を、ぜひ一緒に体験しましょう!











